顧問弁護士について
Q 顧問弁護士について
当社は取引先との契約書を専門的な立場からチェックを受けたり、 日常的な業務で生じる法的トラブルについても気軽に相談したりしたいと考えております。顧問弁護士について以下、教えてください。
1 顧問弁護士とは何ですか。
2 顧問弁護士が提供する業務内容と顧問料を教えてください。
3 顧問弁護士との相性が合うか心配ですが、その確認の方法はありますか?また、最初に頼むときはどうしたらよいですか?
4 顧問弁護士のメリットはどういうところにありますか?
5 顧問弁護士への相談の方法、コツはありますか?
6 相談内容は法律問題に限定されますか?弁護士に相談するべき問題かどうか迷う場合はどうしたらよいですか?
7 法務部門のアウトソーシングをすることは可能ですか?
8 取締役会や経営会議への出席は可能ですか?
9 これからビジネスを立ち上げたいと思いますが、立ち上げの段階から顧問弁護士になってもらえますか?
10 事務所近くの会社なのですが、会社で法律相談を受けられますか?
11 事務所の業務方針として2人以上の弁護士でチームを組み、 案件を担当するとのことですが、なぜですか?
12 SKYPE(スカイプ)を使って相談できますか?
NEW13 地方の会社ですが、顧問弁護士になってもらえますか?
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A 回答
1 顧問弁護士とは
顧問弁護士とは、毎月定額の顧問料をご負担いただき、継続的に且つ気軽にご相談いただくための弁護士をいいます。顧問弁護士により提供されるサービスの内容は弁護士とご依頼者との関係で様々ですが、当事務所においては通常以下の内容が盛り込まれます。
(1) 法律相談
(2) 契約書の作成と公正証書の作成、作成された契約書の検討、審査
(3) 内容証明等契約書以外の書面の審査、作成
(4) 経営計画における法律上の問題点の指摘と適法な代替案の作成、提案
(5) 法律面における社員教育の補助、セミナー
(6) 民事、商事、家事、刑事等各種事件の受任
(7) 遺言書の作成、遺言執行人の受諾
(8) 各種会社の設立、変更登記手続
(9) 株主総会の指導
(10) その他一般の法律実務
2 提供している業務内容と顧問料
(1)業務内容
現在、当事務所において実際に提供している業務内容、業務量は顧問先によって大きく異なります。 業務内容については、ご相談事例・ご依頼事例に掲げておりますのでご関心のある分野がございましたら、お手すきの折にでもご覧下さい。なお、
取締役会に出席させていただいている顧問先もございます。
業務量について分類しますと概ね以下のとおりです。
ア 会社に法務担当の方は決められておらず、社長さんのみが年5,6件の相談される顧問先
イ 総務部に法務担当者の方が決められており、その方から毎月5,6件の相談がある顧問先
ウ 親会社、子会社を含めてグループ企業の社長さん、総務担当者から相談があり、毎月10件程度の相談がある顧問先
エ 法務担当者の他、現場の担当者の方から相談があり、相談者数が延べ100人を超え、ほぼ毎日メールで相談がある顧問先 (弁護士に相談したこと自体が社内調整に必要と言われる場合が多く、書面で弁護士の意見が求められることもしばしばです。)
(2)顧問料
顧問料につきましては会社の弁護士ニーズによって異なりますのでご相談のうえ決定しておりますが、 現状当事務所における典型的な顧問料は以下のとおりです。
ア 会社に法務担当者は決められておらず、社長さんのみが年5,6件相談される顧問先(相談時間の目安2~3時間) 月額5万2500円(消費税抜き金額5万円)
イ 総務部に法務担当者が決められており、その方から毎月5,6件の相談がある顧問先(相談時間の目安5時間) 月額10万5000円(消費税抜き金額10万円)
ウ 親会社、子会社を含めてグループ企業の社長さん、総務担当者から相談があり、毎月10件程度の相談がある顧問先 (相談時間の目安8時間) 月額15万7500円(消費税抜き金額15万円)
エ 法務担当者の他、現場の担当者の方から相談があり、相談者数が延べ100人を超え、ほぼ毎日メールで相談がある顧問先 (相談時間の目安20時間) 月額52万5000円(消費税抜き金額50万円) なお、1(1)以外の業務につきましてはその都度、 費用をご相談させていただいておりますが、顧問契約を締結していただいていないご依頼者よりも低額でお引き受けしております。
3 顧問弁護士との相性が合うか心配だが、その確認の方法は?
顧問弁護士には日常的に種々のことを相談しますので相性は重要です。 最初から顧問契約ではなくてまずは単発でご相談いただいたらいかがでしょうか?ご都合のよろしいときにお問い合わせフォームからメールをお送り下さい。 その際、なるべく詳しく御社の現状をお聞かせいただければ、それに応じて豊かなお返事を差し上げます。 そのうえでお打ち合わせの日をご相談させていただきます。
4 顧問弁護士のメリット
(1)紛争予防が一番
事業を営む際、法的な紛争は不可避です。売掛金の不払い、得意先の倒産、顧客からの損害賠償、労使の紛争等枚挙の遑がありません。 とすれば、健全な経営には、法的紛争を迅速的確に且つなるべくローコストで処理することが極めて重要になります。そして、それを実現するには、 紛争が起こる前に紛争を防止する方法について、弁護士に相談することが最良の方法であり、 顧問弁護士がいる場合には法的紛争を事前に予防できる可能性が高まります。
(2)背景の説明の手間が省ける。
また、顧問弁護士がいれば、万一、紛争に巻き込まれた場合でも、早期の段階で気軽に相談でき、自己紹介や紛争の背景事情についての説明を相当程度省略できますので紛争について迅速に対応できます。紛争の解決には、事件の背景事情、 業界慣行についての知識が不可欠ですが、顧問弁護士であればご依頼者の業界特有の習慣等にも通暁していきますのでご依頼者からすると説明が楽かと存じます。実際、紛争が本格化した段階で一から説明するのは骨が折れるものです。
(3)顧問料は全額損金になる。
さらに、顧問料は全額経費になりますので、事業者の実質的な負担は顧問料の半分程度です。
5 相談の方法
顧問先からの相談の場合、相談のきっかけはメールであることが大半です。ご都合のよろしいときにメールをお送りいただけば、 概ね24時間以内にはお返事しております。顧問先についてはご相談者との間に、ビジネスについての共通認識がありますし、また、 理解力についてお互いに認識しておりますので大抵のご相談はメールで解決します。もちろん、必要に応じ、電話、FAX、 面談によることもございます。なお、面談の場合、面談場所は原則として当事務所で行っております。しかし、ご依頼者によっては、相談は会社でやりたいという方もいらっしゃいます。そうしたご希望がある場合には、予めおっしゃっていただければ幸いです。なお、前述した定時取締役会に出席している顧問先については、私どもが会社に出向きますので、その折にご相談を承っております。
6 何でも相談
顧問弁護士をご依頼いただいたなら是非何でもご相談下さい。法律に関することに限定する必要は全くありません。 通常業務自体非常に広範ですから、いかなるご相談にも何らかの有益な情報(他の専門家のご紹介も含めて)をご提供できるものと存じます。 ですから、とりあえず電話やE-MAILでお尋ね下さい。単に法律問題の回答をするのではなく、ご依頼者が本当に希望されていることを伺い、 法律問題と離れた事実問題についてご意見を申し上げたり、全く別の角度からの提案をしたりするように心がけております。 また、 当方の説明で分かりにくいところがございましたら、遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。懇切丁寧にご説明申し上げます。
7 法務部門のアウトソーシング
上記1のイウエの会社、すなわち、
イ 総務部に法務担当者が決められており、その方から毎月5,6件の相談がある顧問先
ウ 親会社、
子会社を含めてグループ企業の社長さん、総務担当者から相談があり、毎月10件程度の相談がある顧問先
エ 法務担当者の他、
現場の担当者の方から相談があり、相談者数が延べ100人を超え、ほぼ毎日メールで相談がある顧問先
については、
法務部門のアウトソーシングをお引き受けしているものと認識しております。 これらの会社の場合、
自社でもある程度のリーガル対応が可能ですが、自社では対応しきれない部分がどうしても発生してきます。エの会社の場合、
法務部門の従業員のスキルは相当程度高い場合が多いのですが、それでもなお、例えば
(1)紛争性が高く、裁判になることを前提とした対応が必要な場合
(2)会社において発生する法律問題が多く、法務部門のみでは量的に対応しきれない場合(法務部門がボトルネックになっている場合)
(3)社内対応として弁護士の意見を聞いたという実績が必要な場合
(4)判例等の調査は法務担当者が行ったが、調査の結果について自信が持てない場合
等においてお役に立てることが多いです。
確かにエの会社になりますと、法律知識においては弁護士と法務部門とは法律知識において互角になると思われますが、 それでもなお弁護士が優れているのは
(1)裁判実務経験があるので裁判を前提とした方針決定をより正確にできること
(2)訴訟、任意交渉等法的紛争に常に身を置いて業務を遂行しているため、法的紛争対応能力に優れていること
(3)同業他社からも依頼を受ける場合があり、紛争事例が当該会社に限定されないこと 等があるからでしょう。 私どもも日々精進してまいりたいと存じます。
8 取締役会や経営会議への出席
(1)会社更生事件
最近、顧問契約をしていただいているご依頼者から、取締役会や経営会議に出席して、 適宜コメントしてほしいとのご依頼をいただくようになりました。ありがたくお引き受けし、会議に出席させていただいております。 当事務所は会社更生事件への関与が多い事務所ですが、 会社更生事件では会社の資金繰りの心配から更生会社の経営に関する重要事項の決定まですべて私ども弁護士がやります。 特に申立直後は会社内外とも混乱しますが、混乱を収めつつ経営にあたるので誠に大変です(そしてとてもやりがいがあります。)。また、 部長レベルの経営会議に出席したり、特別の案件についての会議を主宰したりすることは通常行っています。さらに、終業後に社内で缶ビールを飲みながら従業員の方と談笑することにより現場の声を伺うこともよくあります。 そうした経験をしておりますので弁護士の中では、経営者の立場から発言することができる部類と自負しております。
(2)弁護士に対し適時に相談することは難しい?
取締役会や経営会議に弁護士が出席することはコンプライアンス上望ましいことは言うまでもありませんが、 最大のメリットは弁護士から適切なタイミングでアドバイスを受けられる可能性が高まるという点かと存じます。 日常の相談の中で 「もう少し早くご相談いただければ」という事態は、残念ながら少なくありません。しかし、 弁護士に対し適時に相談することは実は難しいのでそうした事態はやむを得ないことなのです。すなわち、 時機を逸することなく相談するためには法的問題点に対する鋭敏な感覚が必要ですが、 こうした感覚は法的紛争処理の経験や法律判例の知識の集積によって培われるものです。 そもそもそうした経験や知識がないからこそ弁護士に相談するのですから、 弁護士に適時に相談することは構造的に難しいことになります よって、上述した構造的な困難を解決するには、 顧問弁護士に対し会社の業務全般について定期的に説明し、そのチェックを受けることが得策です。 そしてそのために最も効率的なのは取締役会ないし経営会議に弁護士を同席させ、弁護士から適宜法的問題の指摘を受けることです。 取締役会や経営会議に出席させていただいている場合、会議の中で例えば新規受注についての報告がなされれば、信用調査の必要性、 方法についてアドバイスをすることができます。また、人事労務問題についても報告ないし協議事項として挙げられることがございますが、 そうした場合の対応についてもご助言が可能です(もとより会議を円滑に進めるために問題点の指摘及び助言は別途とすることも可能です。)。 さらに、弁護士の議論を聞くことで役員の法的感覚を高める効果も期待できます。加えて、 案件によっては相談すること自体躊躇される場合もあるでしょう。そうした場合でも弁護士が社内に来ているのですから、 会議後少し相談してみようと決心(?)されることもままあるようです。
(3)オーナー社長が経営判断に迷われたとき
オーナー会社の場合には取締役会や経営会議は開かれないのがむしろ通常かもしれません。その場合には月次経営概況メモ(営業、財務、 製造、購買、人事等の項目について)、月次試算表(BS、PL)をお示しいただき、顧問弁護士にコメントを求めることも有効です。 顧問弁護士に見せるためにわざわざ作成していただく必要はもとよりありません。オーナー社長の手控えを拝見させていただければ十分です。 第三者たる弁護士に説明することで法的な側面からのチェックがなされるとともに経営者の経営判断の的確性が担保されます。 オーナー経営者は孤独なことが多いので経営判断に迷われた場合にもお役に立てるものと存じます。
9 ビジネスの立ち上げと顧問弁護士
ビジネスを立ち上げる際、弁護士のアドバイスが必要になる場合が多いです。会社の設立のための事務手続、取引先との基本契約書、 個別契約書、ビジネスに伴う各種権利処理、役員報酬の取り決め、ビジネスの核となる商標及び意匠の登録、 ビジネスモデルとして有用であればその特許出願・審査請求、取引先とのトラブルについての相談、株式の公開を念頭に置いているのなら、 そのスキームの検討等々。ビジネスの立ち上げ段階こそ弁護士のアドバイスが必要なのです。 また、 ビジネスの立ち上げ段階から弁護士の関与があれば、当該ビジネス及び当該会社に通暁した弁護士を育てることができ、非常に便利です。 ですから、ビジネスの立ち上げ段階から顧問弁護士をおくことは有用だと言えるでしょう。 弁護士の側からした場合、 ビジネスの立ち上げ段階は多数の契約書、規約等の書類の作成、頻繁な法律相談の要請があり、 スタッフや資料の関係で会社に出向く必要がある場合が多く、相当の時間と労力を要しますが、 ビジネスの立ち上げに関与することは非常に興味深く、やりがいがあります。是非、ご相談下さい。
10 事務所近くの会社なのですが会社に来ていただき、会社で法律相談を受けられますか?
もちろん伺えます。遠慮なくおっしゃってください。
11 事務所の業務方針として2人以上の弁護士でチームを組み、案件を担当する場合が多いとのことですが、なぜですか?
複数の弁護士が担当した方があらゆる点においてより良い解決に役立つからです。
(1)事件の初期段階
的確な事件処理をするためには、
A ご依頼者から事実を漏れなく、正確に伺うこと
B 的確に法律構成を行うこと
が必要です。
まず、Aですが、ご依頼者が法的に重要な事実を漏れなく、お話しいただけることはほとんどありません(このことはご依頼者の責任ではないことはもとよりです。)。すなわち、ご依頼者から法的に重要な事実を漏れなく、正確に伺うには、
単にご依頼者の話を表面的に受け止めるのでは足りません。「ご依頼者が話されている内容からすれば、通常、
こういう事実が付随しているはずだ」というある種の経験則を豊富に持ち、ご依頼者から事情を伺いながらそれを確認し、
ご依頼者から重要な情報を引き出すことが必要です。この点、複数の弁護士で伺えば、
やはり経験則が2人分になるので1人で伺う場合よりも聞き漏れが少ないです。二人で聞けば一方が聞き漏らしたことを他方が拾ってくることが可能になります。
次にBですが、単純な事件はともかく、複雑な事件では多様な法律構成が考えられる場合があります。「三人寄れば文殊の知恵」
ではありませんが、やはり複数で検討した方が1人でやるよりも多くの法律構成を創出することができます。また、
自分のアイデアを自ら批判的に検討することは困難ですが、他人の出したアイデアを批判的に検討することは比較的容易です。
思いついた法律構成の批判的検討には複数弁護士が関与する方が圧倒的に有利です。
(2)書面の検討
書面についても同じことがいえます。上述したとおり他人のアイデアを批判的に検討するのは容易ですが、
自らのアイデアを批判的に検討することは困難です。一人の弁護士の場合よりも複数の弁護士の方が書面が十分に検討しやすいと思います。
また、誤字脱字という低レベルの事項であっても複数の弁護士が関与した方がよいことは自明です。
(3)証人尋問
証人尋問においては複数弁護士が関与した方が明らかに有利です。例えば、
一方が尋問している最中に他方は裁判官や相手方の反応をみたり、現在尋問をしている弁護士の聞き漏れがないか、
補充尋問をするべきではないかが、チェックできますし、聞き漏れがある場合には先に尋問した者に代わって尋問をすることができます。
複数の証人を集中的に尋問することも通常のことですが、一人で複数の証人を尋問することは相当疲れます。
疲れることは人間ですから仕方がありませんが、パフォーマンスが落ちることは避けられません。これに対し、
複数の弁護士で尋問すれば負担は半分以下になり、よりよいパフォーマンスが実現できます。
そして尋問に際しては主尋問(証人申請をした当事者による尋問)、反対尋問(反対当事者による尋問)
とも事前に十分にトレーニングをする必要がありますが、
本番の尋問を複数の弁護士によって行った方がよいのと全く同じ理由によって複数弁護士によるトレーニングの方が効果的であることは明白です。
以上の次第で、当事務所においては原則として1つの案件を2人以上の弁護士で担当しております。
12 SKYPE(スカイプ)を使って相談できますか?
顧問契約を締結していただいたご依頼者とはSKYPE(スカイプ)及びWebカメラを使って打合せをさせていただくことがございます。
13 地方の会社ですが、顧問弁護士になってもらえますか?
会社のご相談の大半はメール、電話、FAXで行っておりますので、あまりご不便はないと思います。実際、5年前に顧問契約をしていただいたあるご依頼者は1度しか相談のために事務所へ来られておりません。また、アメリカ在住の方からも事件のご依頼をいただいておりますが、メールと電話でコミュニケーションをとりながら進めております。
ただ、顧問契約においては特に相互理解が重要ですので、ご出張で東京にお越しの折などにお立ち寄りいただいたり、他の機会を利用してこちらからも伺ったりしております。それと距離的になかなかお会いできないご依頼者の場合には、数少ないチャンスをとらえ、お食事におつき合いいただけるとお互い緊張がほぐれてよいように思われます(よろしくお願いいたします。)。
なお、地方に出張する場合には日当・交通費をご負担いただいておりますが、仮差押については、裁判官面接なしで発令していただける場合も多いですし、訴訟については電話会議による準備手続が行えますので、日当・交通費をご負担いただくことは思いの外少ないです。実際、中国地方の支部に係属したある損害賠償請求訴訟では、当方のご依頼者が被告(訴訟を提起された側)であったこともあり、一度も裁判所に行くことなく終結し、ご依頼者に対し日当・交通費を請求することがございませんでした。
以上
顧問弁護士のご依頼はお気軽にメールでどうぞ。折り返しこちらからお電話させていただきます。→お問い合わせフォームへ