保証人の主債務者に対する求償権の消滅時効

最高裁平成18年11月14日 金融商事判例1260-21

<事案>

最高裁平成18年11月14日 金融商事判例1260-21

1 B銀行、主債務者Xに対し、金銭を貸付。その際、物上保証人AはB銀行のため抵当権を設定、 保証会社Yは主債務者Xの委託を受けて保証。

2 主債務者X、延滞

3 B銀行、物上保証人Aから設定を受けた抵当権を実行(不動産競売を申立)。

4 3の競売開始決定、主債務者Xに送達。

5 B銀行、保証会社Yに対し保証債務履行請求。保証会社Y、B銀行に対し保証債務履行

6 保証会社Y、B銀行から主債務者Aに対する抵当権の移転の付記登記経由し、差押債権者の承継を執行裁判所に申出。

<判旨>

上記事案においては上記の承継の申出について主債務者に対し民法155条所定の通知がなされていなくても上記の代位弁済によって保証人Yが主債務者Xに対して取得する求償権の消滅時効は、 上記承継の申出のときから上記不動産競売の手続の終了にいたるまで中断する。

 

<参考>

民法155条 差押え、仮差押または仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなえれば、 時効の中断の効力を生じない。